小難しい投資について「わかりやすく解説する」を心掛けています。
今回は、株のチャートを見たときに、ローソク足の前日終値と翌日始値が、なぜ同じ株価ではないのか?ということについて、お伝えしたいと思います。
目次
株のローソク足は「前日の終値」と「翌日の始値」が違う
私たちが株の取引をできる時間帯は
平日の
- 朝9時~11時30分(前場)
- 12時30分~15時(後場)
の間です。
- 「始値」はその日にはじめて取引された株価を言います。(9時)
- 「終値」はその日の最後に取引された株価を言います。(15時)
だから、今日の終値と翌日の始値は同じなのが普通ではないのですか?
でも実際、終値と始値には差があります。
チャートを見ながら解説しますね!
これは、「4755:楽天」のチャートです。
チャートに表示されているローソク足を見れば、終値と始値が違うことがわかります。
引用元:トレーダーズ・チャンネル
これは、「前日の終値」と「翌日の始値」が大きく異なるということです。
株のローソク足で「前日の終値」と「翌日の始値」が違う理由
では、なぜ終値と始値が違うのかを見ていきましょう。
株は取引時間帯終了後も注文が可能
実は、株の売買は取引の時間が終わった15時以降でも注文を出しておくことができるんです。
取引終了後から翌日の取引開始までの間には様々なニュースが流れます。
- 企業の決算発表
- 重要な経済指標の発表
- 政治的なもの
- 地政学的なもの
- アメリカを始めとしたの海外の市場動向
その動向を見て、「買い注文を入れる人」または「売り注文を入れる人」がたくさんいます。
ニュースの内容が企業にプラスであれば買いたい人が増え、企業にマイナスの内容であれば売りたい人が増えます。
そして、翌日のスタートの直前でこれらの注文を全て整理します。「買い注文と売り注文のどちらが多いのか」によって、始値が変わってきます。
- 買い注文を入れている人の方が多ければ、始値は高くなる傾向にあります。
- 反対に、売り注文を入れている人の方が多ければ、始値は安くなる傾向にあります。
始値の決まり方をイメージしよう
例えば、魚屋さんをイメージしてください。
とある魚屋さんは、「イワシ」を700円で売っていました。
今日の営業時間は終了し、お店を閉めて眠りにつきました。
そして次の日の朝、開店の準備をしようと思い外へ出ると、なんと長打の列ができています。
夜中に「イワシの成分が生活習慣病を予防できる」という健康ニュースが流れ、値段が高くてもいいから買いたい!という人が殺到しているのです。
この状況を見た魚屋の店主は
となるのです。
これはイメージを持っていただくための話です。
正確には、「板寄せ方式」という方法で始値は決まっていますので、もっと知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
株のローソク足で「前日の終値」と「翌日の始値」が違う理由:まとめ
いかがでしたか?
このように、 前日の終値はあくまでも前日の最後に取引された株価であり、翌日の始値が前日の終値から始まるわけではないということです。
始値は「板寄せ方式」という方法で決められています。
株式投資を始めるなら、どんな仕組みで株価が決まるのかを知っておくことが大切です。