こんにちは!うめぽんです。
会社四季報で誰もが最初に見る部分が、この業績欄だと思います。
会社の1年間の経営成績が一番よくわかる欄ですからね。
今回は、売上高から純利益、1株益、1株配の説明に加え、BS(バランスシート)との係性についても触れていきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
四季報の業績欄の見方:業績欄でわかること
四季報の【業績】の欄には、各決算期ごとの「1年間の経営成績」を損益計算書(PL)を通して表示してくれています。
会社経営者は株主から預かった財産である自己資本を、1年間の経営を通してどれだけ増やす(純利益)ことができたか?で評価されます。
損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)の関係
純利益が黒字であれば自己資本が増え、赤字であれば自己資本は減少してしまいます。
というわけで、「業績欄」は損益計算書(PL)のことが書いてあります。
そして、1年間の経営の結果、「財務欄」に書かれている貸借対照表(BS)が更新されるといった関係性になります。
四季報の業績の見方:連・会・中とは?予の意味は?
続いて、実際の業績欄を見ていきしょう。
業績欄の一番左側には「どの決算期の報告・予想なのか」が記載してあります。
- 「連」:グループ全体での業績ということです。
「連」と書いてあれば、日本会計基準の連結決算を表しています。
「◎」と書いてあれば、米国SEO方式の連結決算。
「◇」と書いてあれば、IFRS方式の連結決算。
「単」と書いてあれば、グループではなく単独での日本会計基準の決算。
「□」と書いてあれば、グループではなく単独でのIFRS方式の決算。 - 「中」:半年が経過した段階での中間決算(第2四半期決算)のデータ
- 「四」:第1四半期、第3四半期の決算
- 「会」:会社が自分で発表した業績予想の数字
- 「予」:この部分は四季報(東洋経済新報社)の記者が実際に企業に足を運び、聞き取り調査などを行った結果、来期以降の決算を独自に予想した部分です。
「予」と書いてあっても一番左側に「会」とあれば、会社が自分で予想して発表した数字になります。
では、上記を踏まえて、もう一度説明していきます。
連16.3 | 2016年3月末に締めた本決算のデータ |
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連19.3予 | 2019年3月末に締める本決算のデータを四季報が予想 |
中18.9 | 2018年9月末に締めた中間決算のデータ(第2四半期のデータ) |
中19.9予 | 2019年9月末に締める中間決算のデータを四季報が予想 |
四17.4-12 | 2017年4月〜12月末で締めた四半期決算のデータ(この場合は第3四半期のデータ) |
会19.3予 | 2019年3月末に締める本決算を会社が自分で予想したデータ |
「予」がついたものは、四季報が独自で予想した数値だとお伝えしました。
予想以外はすでに決算が終わった数値ですから、終わった事実が記載されているということですが、投資をする上で「今後どうなるのか」は重要ですよね。
「四季報の業績予想」と「会社が発表した業績予想」の数値が違うときがあります。
四季報では各企業の担当記者を設定していて、その記者が同業他社にも取材をすることで独自に業績を予想しています。
また業種の全体的な動向や、日本全体の動向なども加味して予想し、さらに四季報編集部のチェックを受けた上で発売されます。
一方で、会社が自分で予想する数値というのは、少し控え目にすることが多いようです。
なので、会社の業績予想の方が小さい場合は大丈夫ですが、もし会社の業績予想の方が大きかった場合は、自信過剰になっているかもしれませんので注意が必要です。
四季報の業績の見方:売上高から1株配までを解説
業績欄は「売上高」「営業利益」「経常利益」「純利益」「1株益(円)」「1株配(円)」の6項目に分かれて記載されています。
1株益と1株配以外は、すべて単位が「百万円」になります。
それでは順番に見ていきしょう!
売上高
まず儲けの源泉になるのが売上高です。
単純に、モノやサービス売れた金額の合計で、仕入れた金額などは考慮されていません。
この売上高の数字から、仕入れた金額や従業員の給料などを差し引いていく流れとなります。
あたながお店を経営しているとしましょう。
今日は100円のモノが売れましたが、仕入れるのに30円かかっていた場合は、本当の儲けは70円ですよね。
売上高というのは、この場合の100円のことを差しています。
売上高から売上原価(仕入れた金額)を差し引いたのが、売上総利益となります。別名、粗利(あらり)と呼ばれるものです。
この売上総利益は四季報には記載されていません。
営業利益
営業利益は業績欄の中でもっとも重視すべき数字です。
会社の本当の実力を表しているからです。
売上高から、売上原価、販売費、一般管理費を差し引くと営業利益になります。
従業員の給料は、ここの販売管理費・一般管理費に含まれています。
この営業利益が毎年増加しているのかチェックしましょう。
売上利益率=営業利益÷売上高×100
売上高に対して、営業利益の比率はどれくらいなのかを表す指標です。
業績欄を見ながら、自分で計算をしてみてください。
注意してほしいのは、営業利益が増加しているが、売上利益率が低下している場合です。
営業利益が伸びていて、一見すごいように思いますが、それ以上に経費が増えている場合がありますので、営業利益とあわせて売上利益率も計算するようにしましょう。
経常利益
経常利益は、営業利益に営業外収支(営業外収益と営業外費用)を加算や減算したものです。
営業利益は「その会社の本業での稼ぎ」ですが、経常利益は「その会社の本業以外で得た利益や費用」も含めた利益を示しています。
営業外収益 | 受取利息、配当金、持分法投資利益、為替差益など |
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営業外費用 | 支払利息、持分法投資損失、為替差損など |
会社も同じで、本業以外に投資をしているんです。
なので、利息や配当金を受け取れば、収入はプラスになります。
また投資で損失を出した場合はマイナスになります。
純利益
純利益は、経常利益から「特別利益・特別損失・法人税」などを加算や減算したものです。
この純利益が最終的な会社の純粋な利益となります。
土地や投資有価証券売却益など
土地や投資有価証券売却損、減損損失、子会社関連損失など
法人税、住民税、事業税など
特別利益・特別損失とは、土地の売却で得た利益や工場設備を廃棄した損失などの一時的な(特別な)利益や損失のことを言います。
この特別利益や特別損失については、ここ近年の推移を見ておいた方が良いでしょう。
過去2~3年に比べて、大きな特別利益や特別損失がある場合は注意が必要です。
特別利益の場合は、会社にお金がないから土地などを売却して一時的にお金を得る必要があったのかもしれないからね。
特別利益や特別損失の数字は、残念ながら本の四季報では見ることはできませんが、CD-ROM版の四季報なら確認することができます。
また、企業がホームページで掲載しているIR情報からも確認できるのではないでしょうか。
1株益
1株益は「1株あたり純利益」のことで、EPS(イーピーエス)と言います。
EPS=純利益 ÷ 発行済み株式数
「純利益」が会社の最終的な儲けとなるので、純利益を発行済み株式数で割り算し、1株あたりの純利益を算出します。
PERとは「株価収益率」のことで、計算式は「PER=株価÷EPS」です。
PERの単位は「倍」で、意味としては「今の株価で1株購入して、1株あたり純利益がリターンとした場合、何年で回収できるのか?」を表しています。
1株配
1株配とは「1株あたり現金配当金額」のことを言います。
1株益が221.8円、1株配が30円の場合は、30円が配当金として投資家に支払われ、残りの191.8円がバランシートの純資産に利益剰余金というかたちで積み上がります。
本当は221.8円が投資家の利益ですが、全部を配当金として支払ってしまうと、会社の純資産を拡大できません。
事業を拡大したくても負債を増やしてバランシートを大きくするしかなくなってしまうので、このように純利益の一部を純資産に積み上げているんです。
これを「内部留保」と言います。
【四季報の業績欄の見方】全て解説!連・会・中とは?予の意味は?まとめ
四季報の業績欄の見方を説明してきました。
四季報は独自の予想が最大の特徴でしたね!
また、重要なのは「営業利益」ですが、「売上高」「経常利益」「純利益」でも見ておくべきポイントがあります。
損益計算書(PL)でのお金の流れを把握し、成長が見込める銘柄を探しましょう。
業績欄はPLです。以下の記事でBS(貸借対照表)についても学んでおきましょう!