株式投資を始めようと思ったものの、どの企業に投資をするのがよいのか迷ってしまいますよね。
そこで、ファンダメンタルズ分析には欠かせない情報源が「会社四季報」です。
辞書のような厚さを目の前にすると読む気が失せてしまう方もいると思いますが、最初に見ておくべきチェックポイントをつかめば、効率的に読むことが出来るようになりますので、この記事を参考にしてみてください。
目次
四季報の見方を初心者向けに解説!「会社四季報」とは?
『会社四季報』は週刊東洋経済でおなじみの「東洋経済新報社」が年に4回販売している本です。
引用元:ソシャゲエンジニアの資産運用
名前のとおり、会社四季報は「春・夏・秋・冬」の四季に合わせて年4回発売されます。
- 春版 3月15日
- 夏版 6月15日
- 秋版 9月15日
- 冬版 12月15日
※発売日は前後する場合があります。
会社四季報は、本と言っても辞書のような厚さがあります。
日本の証券取引所に上場している銘柄の情報が1冊にまとめられたデータブックです。(最近ではkindle版もあります。)
株式投資では3000社以上ある会社の中から、投資する会社を決めないといけないわけですが、絞っていく方法として、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析があります。
企業の業績などをチェックしながら、「今後この企業が成長する可能性があるのか」などを判断していくファンダメンタルズ分析を行う上で、欠かせない情報源なのが、この会社四季報なのです。
そんな個人投資家のバイブルとも言える「会社四季報」について、初心者が見るべきポイントをピックアップしました。
四季報の見方を初心者向けに解説!企業の基本的な情報はここでチェック
しかもこれで1社分・・・
吐き気がしてきました。
会社四季報の発行元である東洋経済新報社は、本のほか様々な形で会社四季報を発行しています。
CD-ROMでコンピューターにインストールして使うタイプの四季報もありますので、今回はCD-ROM版のものを掲載しています。
確かに見た目は超難しそうですよね。初心者の人がこれをみると
となってしまうかもしれません。
しかし、人気の銘柄=いい銘柄、とは限らないということを覚えておいてください。
利益を上げている個人投資家というのは、人気がどうこうではなく、こういった情報源を用いて、しっかりと数字で判断をしています。
知らない会社でも、数字がしっかりとしていれば良い会社なので、投資する価値のある銘柄なのです。
逆にいくら世間で人気があっても、数字が悪ければ、買わない方がいい場合もあるということです。
そして次に初心者が見るべき3つのポイントをお伝えしていきますね。
では、楽天をモデルとして見ていきましょう。
右上の会社名のところを拡大しました。
証券コード
この4775という4ケタの数字は、「証券コード」といいます。
証券会社のホームページで見たい銘柄を探すときや、実際の売買で取引ツールを使うときなどに、この証券コードで検索することが多いです。
会社名でも検索できるのですが数字を入力する方が早いですからね。
気になった銘柄は、会社名と合わせて覚えるようにしましょう。
業種(セクター)
証券コードの横に「サービス業」と書いてあるのは、「業種」と呼ばれるものです。(セクターとも言います。)
業種は全部で33種類ありますので、気になる銘柄がどの業種に属しているのかを見ておきましょう。
例えば、サービス業に人気が出てきている場合は、楽天のような大きい会社からまず株価が上昇していきますので、それに続いて後から上がってくる小さい会社を狙えば利益を得やすいです。
決算
会社の1年間の収入と支出を決める月です。
楽天は12月ですが、日本企業のほとんどが3月決算です。なので、5月ごろに税務署へ申告するとうことですね。
ちなみにアメリカは12月決算が基本です。最近では日本でも、それに合わせて12月決算にしている企業が多いです。
設立・上場
設立は、会社を設立した年月です。上場は、証券取引所に上場した年月です。
上場年月をチェックしておきましょう。あまりにも最近に上場した会社では、株が売買された歴史が浅いため、チャートを見ても過去の流れがまだありません。
連結事業
事業の66%をインターネットサービスが占めており、FinTech事業が34%ということです。(足し算したら、おおよそ100になります。)
この【連結事業】というのは、グループ全体での事業を表しています。
楽天であれば、楽天銀行、楽天カード、楽天証券なども含めてグループ全体を意味するのが「連結」という言葉です。
海外
事業のうち、海外でどれだけビジネスをやっているかの比率です。
楽天は20%ですが、この比率が高ければ、それだけ為替の影響を受けやすいということです。
いよいよ次は、初心者が数字として見るべき3つのポイントをお伝えします!
四季報の見方を初心者向けに解説!3つのポイントから良い会社を探す
これまで株式投資を実践してきた経験から、初心者が見るべきポイントを大きく3つ伝えたいと思います。
- 営業利益
- 海外比率
- 時価総額
それぞれ解説していきますので、一緒に見ていきましょう!
営業利益
まず、プロでも最初に見るところが業績欄です。どれくらい会社が儲かっているかが書いてあります。
一番左が決算月なので、1年に1回収支を決定した時点での数字が並んでいます。
順番に見ていくと、2013年12月期(2013年1月~12月の収支)は、「売上高518,568」「営業利益90,244」「税前利益88,610」「純利益42,900」となっています。これらの数字の単位は、百万円です。
売上高で言えば、518,568百万円なので、五千億円以上あるということです。ケタが大きすぎてイメージできませんね(笑)
この業績欄の中で、重要なのは「営業利益」です。
これは会社の本当の実力を示している数字です。「本業でどれだけ儲かっているのか」を示しています。
そして、この営業利益の数字が年を追うごとに右肩上がりになっていれば、すごい会社です。
楽天の場合は、数字が上がったり下がったりを繰り返していますね。
会社四季報では、3,000社以上もの情報が載っていますが、5期連続で営業利益が右肩上がりという会社がけっこうあるんです!
こういった会社は、まさに成長の波が来ていると言えますので、探してみてください。
海外
チェックポイントの2つ目は海外比率です。これは、海外でのビジネスをどれくらいやっているかという比率ですが、この比率が高いということは、それだけ為替の影響を受けやすいということです。
1ドル=100円が1ドル=110円になることを、円安と言います。
ドルに両替えしようと思ったときに、1ドル=100円で両替えできたものが、1ドル=110円出さないと両替えできなくなりました。
つまり、円の価値が下がったということで、「円安」と言うのです。
円安になれば、逆に海外にいる人たちは、日本のモノを安く買うことができます。
1ドルで100円に両替えできたときに比べて、1ドル出せば110円のモノが買えるので、ドルの価値が上がっているのです。
日本の企業の多くは、製造したモノを海外へ輸出して儲けているスタイルなので、日本は輸出大国です。
円安になるということは、海外の人たちは日本のモノを安く買えるので、買い人がたくさん現れ、より輸出が加速して日本の企業は儲かります。
日本は全体的に、円安になれば儲かる企業が多いのです。
ですが逆に、円高になった場合は悲惨です。
最大手のトヨタ自動車であれば、1ドル=100円から1ドル=99円になっただけで、500億円もの利益が吹っ飛ぶと言われています。
海外比率が高いということは、会社の実力に関係なく、儲けが為替に翻弄されてしまうということです。
つまり為替の動向もチェックする必要があるため、初心者には大変ですよね。
なので、初心者は海外比率の低い銘柄を狙いましょう。
為替に全く影響されないということはありませんが、海外比率の高い会社に比べれば、影響はマシだということです。
経験を積んでくれば、為替も見れるようになりますので、そのときに海外比率が高い銘柄も検討すればいいと思います。
時価総額
3つ目のチェックポイントは時価総額です。
時価総額というのは、わかりやすく言うと「会社の値段」です。
大きなキャピタルゲインを狙いたいのであれば、時価総額は低い方がいいです。
時価総額が低いということは、業績が良ければ伸びしろがまだまだあり、儲かる可能性があるからです。成長しきった会社は、株価が何倍にも上昇するということは考えにくいですからね。
逆に、優待や配当を目的として株を買うのであれば、時価総額の大きい会社でも大丈夫です。ある程度成長しきった時価総額の大きな会社の方が安定しているからです。
時価総額=発行株式数×株価
時価総額の2つ上に【株式】1/31 1434573千株と書いてあります。
これが楽天が1月31日の時点で発行している株式の数です。
この発行株式数に、株価を掛けると時価総額になりますが、株価は日々変動していますので、時価総額も変動します。
この会社四季報に出ている時価総額は、ある時点での時価総額ということになります。
[225]というのは、日経225の銘柄に採用されているということです。
これを見るだけでも、ある程度どんな会社なのかイメージができるようになると思います。
四季報の見方を初心者向けに解説!まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事で解説していることをもとに会社四季報を見てみると、初めての人でも少しは抵抗なく見れるようになるのではないでしょうか。
また、会社四季報を読めるようになれば、株式投資だけではなく、就職のときも役立ちます。
大人として、知っておいて損はない知識だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!