老後資金

老後の生活費用は持ち家の人でいくら必要?賃貸と比較してみた

人生100年時代と言われ、約2000万円が老後に不足すると言われています。

細かく見ると、持ち家か賃貸か、ローン返済が残っているか、生活スタイル、家族構成、住む地域などあらゆる条件によって、必要な老後の生活費も大きく異なります。

今回は、持ち家の場合は生活費にどう影響してくるのか?また賃貸の場合はいくら必要なのかを解説します。

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老後の生活費は持ち家の場合いくら必要?

老後の生活費は、求めている生活水準、世帯人数、年齢などによって大きく異なります。

総務省統計局の2017年家計調査報告のうち、

世帯主の年齢階級別(二人以上世帯)の消費支出

を見ると

  • 60~69歳の世帯では、1ヶ月平均29万84円
    (年間の支出が3,481,003円となっていますので12で割って算出)
  • 70歳以上の世帯では、1ヶ月平均23万4,628円となっています。

支出の内訳は以下のとおりです。

内訳 支出額
60~69歳
支出額
70歳以上
食費 76,608円 68,065円
住居 16,459円 14,115円
光熱・水道 22,693円 21,191円
家具・家事用品 11,991円 9,570円
被服及び履物 9,999円 6,850円
保険医療 14,603円 14,850円
交通・通信 43,448円 23,998円
教育 1,352円 360円
教育娯楽 29,366円 23,162円
その他の消費支出 63,565円 52,466円
合計 290,084 234,628円

住居費について、60~69歳では16,459円、70歳以上では14,115円となっています。

住居費の内訳としては、家賃代、設備修繕・維持・材料費などです。

当調査において、この年齢での持ち家率は90%以上ですから、ほとんど持ち家の人が回答しているということになります。

しかし、毎月かかるような住居費のほかに、持ち家の維持費や一時的に大きなお金が必要となる場合もあります。

続いて、持ち家の維持費にはどんなものがあり、どれくらいかかるのかを見ていきます。

老後の20~30年をお金に困らず過ごすため、しっかりと事前に準備しておくことが大切です。

老後の生活費:持ち家にかかる維持費について

持ち家にかかる維持費にはどのようなものがあるのでしょうか?

持ち家にかかる維持費
  • 固定資産税・都市計画税
  • 管理費・修繕積立費
  • 保険
  • 修繕費

これらを順番に見ていきましょう。

固定資産税・都市計画税

家の維持費というと、まずこれが思い浮かびますよね。

固定資産税は、土地や建物を元に算定される税金のことです。
例年1月1日の段階で、固定資産を所有している人は各市町村に納税する義務があります。

金額の算出方法は、土地と建物の評価額に1.4%をかけた金額です。

固定資産税は3年ごとに評価され直されますので、一定期間ごとに金額は変化していきます。

築年数がたった建物は当然評価が下がっていきますので、マイホームを建てた頃の固定資産税に比べて、老後を迎えるころの固定資産税は安くなっています。

固定資産税の金額は、場所や築年数によってかなり異なってきますので、人それぞれ違いますが、老後を迎えてからも年間で数万円かかると見ておいた方がよいでしょう。

都市計画税

市町村によって必要になってくるのが都市計画税です。

都市計画事業や土地区画整備事業に必要な費用として、都市計画税を納める必要があり、固定資産税と一括して納税します。(償却資産には課税されません。)

都市計画税は、評価額に上限0.3%をかけた金額になります。

管理費・修繕積立費

これは、マンションの一室をマイホームとして購入している場合にかかる維持費です。

管理費

マンションの共用部分の清掃や設備の管理などを行っている管理会社に支払うのが管理費です。

設備の管理とは、例えば、エレベーターのメンテナンス、駐車場や廊下部分のライト交換、ゴミ収取処理費用、管理人の業務費用などです。

管理費はマンションにより異なりますが、70㎡程度のマンションで月々10,000円~20,000円程度が目安です。マンションが豪華になるほど管理費が高くなる傾向があります。

修繕積立金

修繕積立金とは、マンションの老朽化を防ぐために建物を修繕するための費用です。

金額が高額になるため、住んでいる人全員で毎月少しづつ積み立てておくのです。

金額はマンションにより異なりますが、50㎡~100㎡のマンションで、月々10,000円~20,000円程度が目安。

大規模な工事が必要な場合など、修繕積立金のほかに一時金を求められることもあります。

共有設備が豪華なマンションほど、管理費やそれを修理するときのための積立金が高額になる傾向にあるので、その点も踏まえてマンションを選ぶようにしましょう。

保険

地震保険や火災保険など、持ち家が地震や火災などで被害を受けた際に保証してくれる保険の費用も、維持費の一部です。

2015年までは火災保険は20年~30年くらいは一括で払うことができていましたので、住宅ローンに火災保険の費用を組み込むというパターンもありました。

しかし、2015年以降は火災保険が最大で10年までしか組めなくなっていますので定期的な出費が必要になります。

どれほど気をつけていても災害は突然やってきますので、火災保険や地震保険は必要な維持費として捉えておきましょう。

修繕費

一戸建てのマイホームの場合、一番大変なのが修繕費になります。

30歳でマイホームを建て老後を向かえた場合、築30年以上ということになりますから、当然修繕費を考えておかなければなりません。

新築後10年も経つと、外壁の塗装など修理しなければいけない場所が出てきますよね。

これが30年以上となるわけですから、それなりの金額が必要になってきます。

どんな修繕が必要?
  • 外壁、屋根の塗装
  • キッチン、トイレ、バスユニットなどの水回りの設備交換
  • 畳の張替え
  • 玄関やシャッターなどのドアの交換
  • シロアリ駆除など

金額としては、例えばドアの交換なら10万円~30万円ほど、水回りの設備交換となると、場合によっては100万円~200万円以上必要です。

リフォームが必要な箇所が多くある場合、一気にまとまった資金が必要になることもあります。

うめぽん
うめぽん
新築で家を建ててから、30年が経過するまでの間、修繕費を合計すると500万円以上にもなるとも言われています。

そこからさらに30年住むわけですから、老後までにしっかり積み立てておくか、老後の収入の柱を作っておくことをオススメします。

木造住宅はシロアリ対策が必要

木造の一戸建ての場合は、シロアリ対策について考えておくことも重要なポイントです。

新築時は、10年程度は保証されていることが多いのですが、その後被害に遭った場合は自分で費用を出さなくてはいけません。

絶対起こるわけではありませんが、もし被害が大きくなると、数十万円の多額の費用が必要になることもありますので、シロアリ対策費用についても想定しておいた方がよいでしょう。

うめぽん
うめぽん
持ち家にかかる維持費は、意外にたくさんあります。ですので、毎月の住居費以外にも500万円以上は用意しておいた方が安心ですね。

老後の生活費:持ち家と賃貸でどう変わる?

では老後を賃貸で過ごすという選択をした場合はどうでしょうか?

これもまた望んでいる生活スタイルは人によって違いますので一概には言えませんが、必要だと思われる家賃と年数を単純計算すればいいだけです。

老後の賃貸費用

例えば、65歳で定年を迎え、90歳まで生きるとしましょう。

仮に家賃が月に7万円として単純計算すると、「7×12×25」で2100万円の支払いが生じます。

持ち家で老後を過ごす場合は、固定資産税や修繕費などが必要になることを見てきましたが大きく見積もっても1000万円を超える可能性は低いと思われます。

「だったら持ち家の方がいいの?」と思われるかもしれませんが、そんなこともないようです。

老後を向かえるまでの「持ち家」と「賃貸」を比較

老後だけではなく、全体として考えてみましょう。

30歳から65歳までの間、持ち家と賃貸ではどう違うのでしょうか?

  • 賃貸の場合

仮に家賃が月に7万円として単純計算すると、「7×12×35」で2940万円の支払いが生じます。

  • 持ち家の場合

例えば、30歳で3,000万円のマイホームを購入し、35年ローンを組んだとします。

利息の支払いがあるため、トータル支払う金額は約4,000万円。

35年間のうち、外壁の塗装、設備の修理、固定資産税などの維持費がかかってきます。

また、自分の所有物であるがゆえに「こだわり」が生まれ、高価な家具や家電、ガーデニングをしたりと賃貸よりは支出が増えるのが一般的です。

これらの支出と維持費を合計すると35年間で500万円~1,000万円もの金額が予想されます。

つまり、賃貸の3,000万円に比べ、持ち家の場合は約5,000万円もかかる可能性があるということです。

持ち家か賃貸のどちらがいいのか

上記で説明したとおり、老後の生活を送る上で、「持ち家」か「賃貸」どちらがいいのかは、65歳までの人生も含めて全体で考えた方がよさそうです。

持ち家or賃貸。これは気になる人が多いテーマですが、住まいにはその人の生活スタイルや人生観が大きく反映されますので、明確に結論を出すことはできません。

人生観

例えば、最近は物を持たないミニマリストやレンタルビジネスが人気を集めています。しかし一方で、「自分のものにしたい」と、所有にこだわる人もいます。

不動産市場の変化

日本が高度経済成長期の頃、「マイホームを買ってこそ一人前」と思われてきました。

その背景には、毎年経済成長が続いており「不動産は値下がりしない」という環境もあったからです。

その後、バブル経済が崩壊し不動産価格は暴落。「賃貸戦略の方がいいのではないか」という考えが出てくるようになりました。

うめぽん
うめぽん
少子・高齢化で人口が減少する日本ですが、住宅の供給は増加する一方です。部屋余りの時代が来ているということは、借りる側が優位に立てます。また、持ち家を買って将来売却しようと思ったときに希望の価格で売れるかわかりません。

しかしこれらも全て、都心か地方かによって異なってきますので、結局はその人自身がどういった生活スタイルを実現したいのかによって考えていく必要があるというわけです。

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老後の生活費用は持ち家でいくら必要?賃貸は?まとめ

老後の生活費について、「持ち家」と「賃貸」を見てきました。

  • 60~69歳:1ヶ月平均29万84円
  • 70歳以上:1ヶ月平均23万4,628円

持ち家の場合は、これのほかに維持費を考慮する必要があります。

マイホームを購入して定年までに住宅ローンの支払いを完済すれば、毎月の住居費は基本的にかかりませんので、心理的負担も少なくて済むでしょう。

一方、賃貸派も時代の流れに乗っているメリットがあります。

人生100年時代を迎え、寿命が延びるに合わせて住居費の期間も当然長くなります。

それぞれどのような選択をするかは、人生観によって変わってきますので、自分にとってなぜ持ち家(賃貸)を選択するのかという根拠、そして実際にはいくら必要かを知ることが大切です。